人の役に立ちたい!人を喜ばせたい!
そうした思いから、福祉職につきたいと考えているHSPさんも多くいるのではないでしょうか。
実際、私自身もこれまで児童と障害分野での福祉職を3つ経験し、保育士資格も取得しました。
なので…
やっぱりHSPは福祉職を選ぶべき?
HSPだから福祉職が向いてるんでしょ?
そんな風に思った方もいるかと思います。
しかし…
ちょっと待ってください!
たしかにHSPは福祉職に向いていますが、福祉職はHSPのよさを必ずしも活かしきれるワケじゃないんです!
ということで今回は、HSPに福祉職が向いている理由6つと働く上で気をつけるべき注意点5つをご紹介します。
という方、必見です!
HSPの気質を上手に理解して、自分に合った仕事を選んでいきましょう!
そもそも福祉職とは何か?
まずはじめに、福祉職にはどんなものがあるのでしょうか?
福祉職とは、主に医療系・介護系・保育系・その他に分けられます。
代表的なものとしては、
などがあります。
福祉職と一口に言っても、いろいろな職種があるんですね。
そもそも福祉とは…
公的な配慮・サービスによって社会の成員が等しく受けることのできる充足や安心。幸福な生活環境を公的扶助よって作り出そうとすること。
goo国語辞典より
とあります。つまり、福祉職とは、
なんですね。
そのため共通して言えることは、福祉職は人の命や生活にかかわる仕事であり、
その分他の職種よりもやりがいや喜びを感じやすいということです。
いっぽうで、福祉職はその責任の重さから、うまくかかえきれずにしんどくなってしまうこともあります。
では次に、福祉職で発揮できるHSPの特徴を見ていきます。
福祉職で発揮できるHSPの特徴とは?
HSPの提唱者であるアーロン博士によると、HSPには4つの特徴があると言われています。
- 物事を深く考える
- 過剰に刺激を受け取る
- 共感力が高い
- 鋭い感覚を持つ
どれも、あるある!と思えるような特徴ばかりですね。
次の章で、その傾向をさらに詳しく見ていきます。
HSPに福祉職が向いている理由6つ
まず、HSPのどんな性質が福祉職に向いているのかご紹介します。
それがこちら。
- 人を喜ばすことがとにかく好き
- 利用者に寄り添える
- 些細なことも覚えている
- 現状に満足しない
- 支援することで元気をもらえる
- HSPであることに自信を持てる
一つずつ見ていきます。
人を喜ばすことがとにかく好き
HSPさんは、人を喜ばせることがとにかく好きです。
何か自分のやったことで相手が喜んでくれると、心から嬉しい気持ちになります。
相手の喜び=自分の喜びなので、とにかく人を喜ばせることが好きなんです。
もちろん、どんな仕事でも人を喜ばせることはできますが、福祉職は支援やお世話をすることが仕事なので、
仕事=“相手を喜ばすことそのもの”になり、他の仕事よりも喜びを感じやすい面があります。
人を喜ばせることが好きなHSPにとって、福祉職はまさにピッタリな仕事と言えるんですね。
利用者に寄り添える
また、利用者に寄り添えることも、HSPが福祉職に向いている理由になります。
HSPは共感力がとても高いと言われています。そのため、相手の立場に立って考えることが得意です。
その能力を活かして、目の前の相手が今何を望んでいるのか、瞬時に察知することができます。
たとえその相手が、お年寄りや子どもなど自分と違う立場の人であっても、
その高い共感力を活かして相手のことを理解しようとしますし、
その上で自分は何ができるのか率先して考え行動していけるのが、HSPの強みなんです。
HSPは、どんな相手であっても、相手のことを思いやって行動することができるんですね。
些細なことも覚えている
HSPは刺激を受け取りやすかったり、人よりも鋭い感覚を持つと言われています。
そのため、記憶が鮮明だったり、他の人が気にも留めないようなことをいつまでも覚えています。
なので、利用者の細かい好みやこだわりを覚えていたり、他の人が見落としてしまうような変化にも気づくことができます。
○○さん、今日はいつもより元気だな。
××さん、様子が落ち着かないな、何かあったのかな。
というように、他の職員が気づく前にいち早く利用者の微妙な変化に気づくことがあるんですね。
まさしく、感覚が鋭く観察力のあるHSPならではの“強み”ですね。
現状に満足しない
HSPは向上心を持っており、現状に満足しない面があります。
というのも、HSPはその自信のなさから、常にベストな方法を模索しているんです。
言ってしまえば、できなかったことに注目してしまいがちという性質ではありますが、
それは裏を返せば、向上心があり、常に高みを目指して努力できるとも言えます。
もちろん頑張り過ぎは厳禁ですが、常に上を目指して頑張れるところがHSPの良い所なんです。
支援することで元気をもらえる
また、HSPは福祉職に就くことで、元気をもらえることがあります。
人に優しくすることで、逆に癒されることがあるんですね。
HSPの原動力になるのは、
自分は人の役に立っている!
自分のしたことで人に喜んでもらえた!
という幸福感です。
そしてそれが、生活していく上での活力になったり、原動力になったりします。
HSPであることに自信を持てる
また、自分の繊細な気質を活かすことで、HSPであることに自信を持てます。
とくに、普段
といった、HSPであることのネガティブな面に悩まされていればいるほど、
仕事でHSPの繊細さを活かせると、自分に自信がつきます。
繊細な気質を持つ自分だからこそ認められた!評価された!
と感じるとやはり嬉しくなりますし、この自分でよかったと素直に思えます。
“繊細な気質も悪くないな”どころか、“HSPとして生まれてよかった!”と思えるんですよね。
HSPが福祉職を選ぶ上での注意点5つ
それでは次に、そんなHSPが福祉職を選ぶ上で注意すべきことをまとめました。
それがこちら。
- 体力を激しく消耗する
- 労働環境の悪さに悩まされる
- 切り替えが難しく悩みがち
- HSPの良さが評価されないときがある
- まわりの仕事のやり方にストレスを抱えがち
体力を激しく消耗する
ご存じの通り、福祉職は体力仕事のため心身ともにかなり消耗します。
もちろん頭を使って仕事をすることもありますが、特に介護職や保育士などはどうしても身体を動かすことが多くなります。
そのため、日中ですべてのエネルギーを使い果たしてしまい、家に帰るとぐったり疲れきってしまい、
気がついたらソファーで寝落ちしていた…ということも日常茶飯事になります。
ただでさえ日々いろいろな刺激に襲われてしまうHSPにとって、福祉職は心も体もかなりの負担がかかってしまう仕事になるんですね。
そして、この体力が奪われるという面は、仕事を続けていく上でどうしても障害になってしまいます。
実際、私も転職したときの理由は、あまりにも体力が奪われてしまいしんどいと感じたからでした…。
労働環境の悪さに悩まされる
職場の人間関係で悩むことはどの職場でも言えることですが、
福祉職では、とりわけ労働環境の悪さに悩まされやすいところがあります。
なぜなら、福祉職は仕事がら離職率が高く、新しい人が入れ替わり立ち代わり入ったり入ったかと思ったら、
え、勤続年数長かったのになんで…?
という人が、急にパッと辞めていったりします。
そのため、常に現場に余裕がなく人間関係も安定しないので、コミュニケーション不足から、
行き違いや連携不足が多発してしまうことがあります。
ただでさえ人間関係に悩みがちなのに、HSPは労働環境の悪さにさらに悩まされてしまうんですよね。
切り替えが難しく悩みがち
HSPは切り替えが難しく、仕事が終わっても仕事のことを考えてしまうことがあります。
今日、同僚の○○さん口数が少なかったな…。
今日××さんから言われたあの一言って、どういう意味だったんだろう?
そんな風に、仕事が終わっても悶々と考えてしまうことがあります。
また、特に福祉職は正解がなく成果もわかりづらく見えづらいので、帰宅してからも、
もっとできることがあったのではないか?
と思い悩んでしまったり、いちいち不安に思ってしまうことがあります。
まさしく一人反省会のループが始まってしまうんですね。
HSPの良さが評価されないときがある
HSPさんは、仕事に対して人一倍やりがいを求める傾向があります。
自分の気質を活かして、“利用者のために自分ができることをしたい!”という思いが強いんですね。
そのため、利用者とのかかわり方が、どうしても“狭く深く”になってしまうことがあります。
もちろん、支援職でも個別でのかかわりがメインだったり、面談のようにじっくり相手と向き合う職種ならいいのですが…。
例えば、100点満点を目指して少しずつ積み重ねていくスタイルが得意なHSPさんからすると、
平均点でいいからなるべく多くの人に
という支援の仕方が求められると、やりがいを感じられずに強いフラストレーションを感じてしまうことがあります。
HSPは一人の人に対してどこまでできるかじっくり考える傾向にあるので、
“そこそこ”でいいから、“まんべんなく”お願いね。
というスタイルがどうしても合わないのです。
“だったら私がやる意味ってあるんだろうか?”と、思ってしまうんですね。
まわりの仕事のやり方にストレスを抱えがち
福祉の仕事に正解はないと言われています。
だからこそ、それぞれが得意を持ちよったり、不得意をカバーし合うことで成り立つんですね。
ただ、中には
この人、利用者に当たりが強すぎじゃない?
もうちょっと優しく接してあげればいいのに…。
とまわりの人に対して思ってしまうことがあります。
やりがいを強く求めすぎるがあまりに、他人の仕事のやり方に疑問を持ってしまうことがあるんです。
実際私は、先輩といえども支援の仕方に疑問を感じ、モヤモヤしてしまったことがありました。
これは、共感性が高いHSPならではの注意点かもしれませんね。
結局、HSPは福祉職に向いてるの?向いてないの?
結局、HSPは福祉職に向いているんでしょうか、向いていないんでしょうか。
これは正直に言うと、
ということになってしまいます。
え~。いったいどっちなの!?
と、ここまで読んでくださった方は拍子抜けしてしまうかもしれませんね😅
しかし、本当に人によるところが大きく、また当たり前の話ではありますが、
同じ職種でも任された仕事やポジションによって違ってきたり、人間関係などの職場環境にもよるため、
一概にHSPは福祉職が向いている!とは言えないのです。
まさに、さまざまな要因が絡み合っての“天職”なんですね。
では、今福祉職に携わっているHSPさんで、悩んでいる方はどうすればいいのでしょうか。
次の章で詳しく見ていきます!
HSPが福祉職で悩んだらすべきこと5つ
ここまで読んで下さった方の中には、
といった悩みや疑問を抱えているHSPさんもいるかと思います。
そこで、HSPが福祉職で悩んだらすべきことをまとめました。それがこちら。
- 資格を取る
- 自分の存在価値を仕事に求めすぎない
- 自分の価値を“見える化”する
- 線引きをきちんと設定する
- しんどいときは思い切って転職
資格を取る
まず、資格を取ることで、福祉職での悩みを解消することができる場合があります。
私は保育士資格を取得したのですが、そのおかげで専門性があると認められ、時給が上がったり手当てがつきました。
また、何より資格を取ることで自信につながり、仕事に対してよりやりがいを感じやすくなりました。
何か目指せる資格があるなら、それをモチベーションに頑張ることも一つの方法だと思います。
自分の存在価値を仕事に求めすぎない
仕事はあくまで仕事です。
自分の存在価値やアイデンティティを仕事に求めても、うまくいかないんですね。
なので、求められることをよく見極め、それに対して自分がどうしていけるのか、いきたいのか、
普段からよく考えていないと、職場から求めらることと自分の行動にズレが生じ、
不満がたまってしまいます。
プライベートを充実させるなどして、仕事にやりがいを求めすぎないということが重要になってくるんですね。
自分の価値を“見える化”する
また、イマイチやりがいを感じられないときは、自分の一日の業務を紙に書いてみることをおすすめします。
書き出すことで、HSPならではの良さを活かせていたんだなと実感することができます。
特に私の場合だと、備品整理を率先して行うなど働きやすい環境づくりに人一倍気をつけていたことや、
対応が難しい利用者さんに対して、自分がどんなことに気をつけて支援していたのか改めて振り返ることができ、
自信をつけることができました。
転職活動のときにアピールポイントとして応募書類にも書けるので、自分の価値を“見える化”することは、やって損はないと思います。
線引きをきちんと設定する
福祉職は、他の仕事と比べ利用者のプライベートな領域まで踏み込むため、
どうしても線引きが必要になってきます。
HSPはその共感性の高さから、相手との境界線がぼやけてしまうことがあるんですね。
相手のために何かしてあげたいと思うがあまり、他人のことを優先して自分のことがおろそかになり、
気がつかないうちにストレスを抱え込んでしまうことがあります。
そのため、
ここまではできるこけど、ここから先はできない!
と、しっかり自分のできること・できないことの線引きをする必要があるんです。
HSPは自分をきちんと満たすことで初めて、まわりを満たすことができると自覚する必要があるんですね。
しんどいときは思い切って転職
また、しんどいなと感じたときには、思い切って転職するのもアリです。
労働環境を変えようとしても、やっぱり個人の力では限界があるんですよね…。
転職することはなかなか勇気がいりますが、新しい環境に入ることで、
それまで生かしきれなかったHSPの良さを発揮できる可能性もあります。
実際、私も転職するごとにスキルを身につけていき、社会福祉士取得を目指すに至りました。
また、同じ職種でも、
- 仕事のやり方やルール
- マネジメント体制
- 任される仕事
などはさまざまなので、自分に合わない職場だなと思ったら、転職を考えてみるのも全然アリだと思います。
福祉職が向いているかは人それぞれ!自分に合った働き方を見つけよう
HSPさんは頑張り屋さんです。
世のため人のために尽くすことのできる、とても素敵な性質を持った人たちです。
ただ、自分があまりにも消耗してしまうと、その良さを発揮するどころか、自分らしく生きることすらできなくなってしまいます。
HSPは福祉職に向いているのか?という疑問ですが、答えは人それぞれです。
ただ、自分に合った職場環境に出会ってしまえば、HSPとしてこれ以上ないくらいの充実感や喜び出会えることと思います。
また、もし出会えなくても焦らずゆっくり探していけばいいんです。
そこで、やっぱり違うなと思ったら、別の道を探せばいいのです。
まずは、自分のこと、仕事に求めるもの、これから達成したいこと、
それらと向き合いながら、あなたに合った働き方を見つけて行ってくださいね。
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